たくさん食べていないのに…脂肪がつくのはなぜ?!

みなさん、こんにちは! 理学療法士の青山遥(アオヤマヨウ)です。
「快適な生活は正しく食べて、正しい姿勢から!」をモットーに練馬区・豊島園で理学療法サロン『AOYAMA STYLE(アオヤマスタイル)[旧店名:mamasalon aoyama]』を営んでおります。
ダイエットの結果が出ない、その原因は?
理学療法士として、さまざまな指導をみなさまに行っている私の座右の銘は、『正しい姿勢で1日を過ごし、1日に必要な栄養素を摂り続ける』です。
過体重、つまり脂肪の付きすぎが原因で膝などに痛みが出ているお客様には、ダイエット指導を行うことがあります。そして、たいていのお客様はすでに(自己流の)ダイエット経験がおありです。しかし、それでも過体重ということは、残念ながら「ダイエットに失敗しつづけている」のです。
ダイエットに失敗する原因は、インターネットの海に漂う膨大な情報から、正しい情報を取捨選択できていないことに尽きます。たとえば、「低糖質」とか「糖質制限ダイエット」という言葉をよく耳にしますよね?
ひとくちに糖質といいますが、糖質には、でんぷん、糖アルコール、オリゴ糖、砂糖、ブドウ糖など様々な種類があります。いずれも人体を動かすための主要エネルギー源ですね。
ご飯やパン、麺類などの”主食”と呼ばれる食べ物だけでなく、果物やイモ類、甘味として用いられる蜂蜜や砂糖などにも含まれています。

空腹時に「ある食品」を摂ると…
すぐに使い切れない量の糖質を摂取しつづけると、それらが身体に脂肪となって貯蔵されてしまいます。これが肥満のもとになるのです。
しかし、必ずしもそこまで大量に糖質を摂取してしまったわけでもないのに、身体が脂肪を溜め込むケースもあるのです。
「GI値(グリセミック指数)」という単語を聞いたことがありませんか? 一般的になってから、かれこれ20年近く経っているかもしれませんが、その重要性は今でも変わりません。
血糖値をとくに上げやすい食品を「高GI食品」と呼び、空腹時に摂取してしまうと血糖レベルが急激にあがってしまいます。血糖レベルを一定に保つ仕組みが人体にはありますから、インスリンという物質が膵臓から分泌されるのです。
インスリンは、血液中のブドウ糖を筋肉や肝臓などに送り込み、身体を動かすエネルギーに変えてくれる大事な物質です。しかし、筋肉や肝臓が受け入れるブドウ糖には限りがあり、余ったブドウ糖は脂肪細胞に運び込まれ、中性脂肪に変化してしまいます。インスリンが大量分泌されるほど、糖は中性脂肪に変化し、太りやすくなります。カロリーはそれほどではなくても……。
これが、高GI食品の”罠”なんですね。
中性脂肪は蓄えられた場所によって、皮下脂肪あるいは内臓脂肪と呼ばれるのですが、どちらにせよ、ダイエッターにとっては望ましくない結果につながってしまうのでした。
ふだんの生活では使いきれない量の糖質を、日常的に摂取する生活を続けていると、中性脂肪の層はどんどん分厚くなってしまいます(ちなみに体内に存在する脂肪の9割が、中性脂肪といわれ、ダイエットで減らすべきターゲットとされるのも、この中性脂肪のことです)。
そして、どんどん食べ続けてしまう
人体に脂肪が蓄えられてしまうメカニズムについてお話しましたが、ここで改めて注目したいのが「GI値」です。
GI(Glycemic Index)
先述のとおり、食事で炭水化物(糖質)を摂取すると血糖値が上がります。摂取する糖質によって血糖値の上がり方は異なり、この血糖値の上がり方を数値化したのがGI値です。
また、高GI食品のデメリットについてもう一度、おさらいしましょう。
高GI食品を摂取した後、身体の中では急激な血糖値の上昇が見られます。つまり、インスリンが過剰に分泌されています。体内に脂肪に変換されて蓄積される糖が増え、肥満につながってしまいます。
さらに恐ろしいのはここから、なのです。
急激に血糖値が上がった後、インスリンの作用によって急激に下がるので、身体は使い切れていない糖を脂肪に変えた状態にもかかわらず、空腹をふたたび感じ、食べ物を摂取したがってしまうのでした。こうして、高GI食品を多く食べていればいるほど、『蓄積→過剰摂取→再蓄積』というスパイラルに陥り、肥満になってしまうのです。
空腹時に摂取すると、血糖値をとくに上げやすい食品を「高GI食品」と呼びます。

「脂肪になりやすい食品」って?
下の表では、GI値が70以上の食品……たとえば、白米、じゃがいも、蜂蜜、フライドポテト、メロンなどが上げられています。果物は基本的にGI値が高いものが多いですが、その中でも美味しくなるよう、園芸植物として高度に品種改良された甘~いメロンのGI値は、果物を砂糖で煮込んだジャムに匹敵するほど。

しかし、口に入れた時の「甘さ」と、GI値の高低はそこまで関係がなかったりもするのです。
たとえば、干しイモのGI値は、その甘さに比べると低めの55程度。甘くてもGT値の低い果物もありますよ。たとえばバナナは甘く感じるけれど、低GI食品なのです。干しイモだけでなく、バナナも実は玄米や、そばと同じくらいのGI数値だと聞くと驚くかもしれません。
だから、ダイエット中でも「甘味がほしいな」となったら、GI値が低い食品を選ぶと無難ということです。「食べても太らない食品」だと書いたネット記事もありますが、これは危険な間違いを含んでいます。しかし、いくらGI値が低くても、大量に食べすぎてしまうのはNGですよ。なぜなら、カロリーオーバーしてしまうから。
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