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眼精疲労の原因は「目」以外にあり?

みなさん、こんにちは! 理学療法士の青山遥(アオヤマヨウ)です。

「快適な生活は正しく食べて、正しい姿勢から!」をモットーに練馬区・豊島園で、理学療法サロン『AOYAMA STYLE(アオヤマスタイル)[旧店名:mamasalon aoyama]』を営んでおります。

今回のテーマは、デスクワークの方にありがちな眼精疲労の対策です。

様々な手段があるのですが、理学療法士としてみなさんにご提案できる中でいちばん手軽で、なおかつ効果が高いのは、座り姿勢に注意してみることです。

そうです、理学療法の観点から眼精疲労事態が起きにくいといえる、座り方がちゃんと存在しているです。

視界がボヤっとする、目の奥が痛い……そういう辛い眼精疲労の症状をよびおこしているのは、眼球を動かしている『眼輪筋』であり、その眼輪筋のコンディションの悪化です。

しかし、同時間、同じ作業をしていても、眼精疲労になる人と、そうでない人の違いは『眼輪筋にかかった負担』の違いにあるのです。

たしかに眼精疲労の感じやすさには生まれつきの体質なども関係しますから、現実的にはもう少し複雑な問題かもしれません。しかし、姿勢次第で、眼精疲労を軽減することができるのは事実なのです。

カラダはすべてつながっている?人によって眼輪筋の負担が異なる理由

しかし、眼の疲れと座り方など、なんの関係もないのでは、と普通なら思いますよね?

それが違うのです。ここでキーワードになってくるのが『筋膜』です。

筋膜については、以前、このコラムでも触れたことがありますので、かんたんにまとめてみましょうか。

全身の筋肉と骨は、網目状のガーゼのような構造をもつ筋膜というものを通じてつながっているのです。感覚的には、かけ離れたところにある身体の部位が、筋膜でつながっていることもあります。眼輪筋と座った時に使われる身体の筋肉も、まさにそういう風につながっており、相互に影響を与えているのでした。

こうした考え方は理学療法業界で近年、とくに注目を浴びており、『アナトミートレイン』という用語で呼ばれています。筋膜による身体の部位同士のつながりを筋連結=アナトミートレインというのです。

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少々専門的になりますが、アナトミートレインとはどういうものかを理解する上で大切なのが『テンセグリティ構造』という概念です。

テンセグリティ(tensegrity)とは、「Tension(張力)」と「Integrity(統合)」をミックスした造語で、バックミンスター・フラーという20世紀アメリカの建築家が提唱しはじめた概念です。

テンセグリティとはどういうものかを理解していただく上で、わかりやすい例えを出しましょう。野外で寝泊まりする時に使う、テントを思い出してください。

綺麗に、シワひとつなく張られたテントは、風にも強く、その構造を保つことができます。ポイントは『張力』です。各部分にいたるまで、張力を均一に、バランス良く張り巡らせられており、それを巧みに統合できているからこそ、あの形を保てているのです。

そうしたテンセグリティ構造と呼ぶべきものは、実は人体の内部にもあるのです。筋膜によるつながりが、頭からつま先まで色々な方向へ張り巡らされ、それによって張力が均一に保たれているのです。

そして眼精疲労に密接に関係している眼輪筋に話を戻すと、この眼輪筋は人体の中に数ある筋膜同士のむすびつき……つまりアナトミートレインのうちの「スーパーフィシャル・バック・ライン(The Superficial Back Line)」に属しています。

スーパーフィシャル・バック・ライン(The Superficial Back Line)

これは、おでこから始まり、頭頂を経て背中に周り、踵で終わるラインです。

鋭い方は、もうお分かりかと思います。

座り仕事の最中に姿勢が崩れると、本来では均一に保たれていなくてはならない筋膜同士の張力バランスが崩壊し、片方が緩み、もう片方が過度に緊張するといったことが人体の中で起きていると考えられるのです。

悪い座り姿勢のまま仕事をすることは、テントにたとえて言うと、一方の生地はゆるゆるなのに、もう一方(反対側)の生地はパンパンになりすぎていて、バランスが崩壊してしまっている状態なのです。ちょっと風が吹いても倒れてしまうような、いびつなことになってしまっているのです。

人体で言うと、首のあたりの筋肉がダラッとたわむ、ゆるんでいる反面、眼輪筋あたりがパンパンに張り詰めらられている状態となります。

つまり、よくない座り姿勢で長時間のデスクワークを行うことで、眼輪筋は常に緊張状態を強いられているのです。一瞬たりとも緩まったり、休まる瞬間がないと言う事で、そりゃ眼精疲労を感じてもおかしくないよね……ということです。

実際問題、眼精疲労の原因は複雑です。年齢や体質によるものも多いにあるでしょうが、姿勢を整えたり、よい姿勢を保ちやすい椅子や机を用意し、環境を整える事でも、眼の眼輪筋の負担はグッと減らす事ができるのです。

眼輪筋への負担を和らげる座り方とは?!

ではどのような姿勢が良いのでしょうか?

つまり筋肉同士の「張力」が均一になる姿勢とは何かをご説明すると、

まず

①重力ラインが一直線

横から見た時に『耳の穴→肩(肩峰)→坐骨結節』が一直線。

要するに、首が左右に傾いたり、前後に出たりしていてはダメということです。

重力ラインを一直線にするためには骨盤を立てて、脊椎の生理的彎曲(わんきょく)を保つ必要があります。

では、「骨盤を立てて、脊椎の生理的彎曲(わんきょく)を保つ」とはどのような姿勢になるのでしょうか。

②骨盤を立てて、脊椎の生理的彎曲を保つ

イメージとしては、椅子の背もたれに対し、背中~腰が90度になっている姿勢です。この姿勢を理学療法的には「骨盤を立てた状態」と呼びます。

この姿勢を可能にする家具など、環境調整としては

  • 股関節・膝・足首の角度が90度になるように椅子の高さを調整
  • テーブルの面の高さを、みぞおちより上にする

の2点があげられます。

また、骨盤を立てた状態を保ちやすくするには、椅子の背もたれに、硬めのクッションを入れるなどの調整をしてもよいでしょう。

感覚的にいうと、背筋が「ビシッ」と伸びた座り方……とでもいったらよいでしょうか。バレエダンサーやモデルさんが、椅子に座った時みたいな印象を持つ方もおられるでしょう。慣れていない方の目には堅苦しく映るかもしれませんし、「そんな座り方をしていたら、よけいに早く疲れそう」と思うかもしれませんが、実はこの姿勢こそ、人間にとって、いちばんラクな姿勢といえるのでした。

蒸しタオルで目の周りを温めるなどの眼輪筋のケアも、眼精疲労対策には有効です。しかし、眼輪筋をそこまで凝り固まらせないための座り方の工夫があるとするなら、それを試さない手はないでしょう。オフィスで、在宅勤務で、一度気をつけて一日を過ごしてください。何も考えずに仕事していたより、よほどクリアな視界が手に入るはずです。

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