寝相が悪い人ほどカラダの歪みが少ない本当の理由

みなさん、こんにちは! 理学療法士の青山遥(アオヤマヨウ)です。
「快適な生活は正しく食べて、正しい姿勢から!」をモットーに練馬区・豊島園で理学療法サロン『mamasalon aoyama(ママサロン・アオヤマ)』を営んでおります。
施術と運動療法の指導を通じ、患者さんたちの歪んだ身体を、人間本来の姿勢に……つまり左右対称の効率の良い姿勢に近づけていく、戻していくことを続けていると、自分がまるで現代社会の膿出しをしているような気がする昨今です。
施術がひととおり終了し、身体の深刻な症状から解放されつつあるお客様方からは、「そういえば」という前置きの後に語られがちなのが
「朝起きたら、身体のどこかが痛むんだけど……」
というお悩みです。
たしかに、それ「だけ」ではわざわざ医療機関に通おうとは思わないかもしれませんが、ここにも重要な気づきが秘められているといえるでしょう。
起床時のカラダの痛み=カラダの歪み?!

実は、起床時の痛みこそ身体が歪んでいるかどうかの大切なバロメーター(指標)なのです。言い換えると、「朝起きた時の痛みと身体の歪みには相関性がある」ということです。
元気な子どもや、赤ちゃんが、朝起きたら「イテテテ……」と顔をしかめている姿は想像もできませんよね?
彼らはなぜ、シニアやお年寄りたちのように朝起きても身体が傷まないのか?には、帰らの姿勢がなぜ歪んでいないのか?という問いかけと同じだと思います。そしてその答えは、「子どもや赤ちゃんの寝相が、めちゃくちゃ悪いから」ではないか、と私は考えています。
本当は子どもたちだけでなく、大人だって、寝相は悪いほうがいいのです。
なぜなら、寝相が悪いのには立派な理由があるのですから。
人間は、その進化の中で、他の動物たちのように四つん這い歩行を止め、二本足で立ちあがって歩行するようになりました。立ったり、歩いたりがわれわれにとっては自然なことのように思えますが、実はそれらはすべて高い重力を身体に被りやすい、抗重力位(こうじゅうりょくい)の姿勢なのでした。
そして、人間は寝ている時に、寝返ったり、ひっくり返ったり、ありえない姿勢を取ったりすることで、自力で、昼間に重力によって歪んだ身体を治療しているといわれています。
つまり、寝相の悪さは、重力除去位ーーー重力のダメージを緩和する姿勢をうまく取れている証なのでした。
子どもたちが、特になんのストレッチもしていないのに、ただ寝るだけで完全に回復できてしまうのは、筋や関節が大人にくらべて格段に柔らかいので、本当に寝ているだけで(そして、布団の中で眠ったまま、全身を動かすだけで)十分に修正ができているんでしょう。
しかも日中も子どもたちは走り回って遊んでいます。なので、文明社会に暮らす大人たちが捨ててしまった身体の自由さをもっているのですね。
文明社会が引き起こすカラダへの影響

それでは、大人になったら、あるいはもっと歳を取ったら、自分で自分の身体は治せなくなってしまうものなのでしょうか?そうではないと私は思います。
大人だって、お年寄りでも、子供みたいな原始的な動きをしていれば……いや、それはちょっと難しいのであれば、すこしでもそのエッセンスを日々の生活の中で取り入れることができていれば、自力で自分の身体の支障を治すことができるのではないでしょうか。
治せなくなってきているのは、確実に文明社会の弊害ではないか、と私は思います。
アフリカの先住民たちのように原始的な生活をしている人が果たして、その手の歪み、痛みを抱えているのか?ましてや、頭脳労働ばかりやっていて、神経が興奮してしまい、夜も満足に眠れなくなるような不眠を経験したりするのか?
といえば、おそらくありえないでしょう。
なぜなら、
- 同じ姿勢でやり続ける「単一労働」
- 過度なストレスに晒され続ける
ということが、無いためです。
逆を言えば、「単一姿勢労働」「過度なストレス」にさらされ続けるということこそ、文明化された現代社会で生きることと同義であると言ってしまってもよいかもしれません。
また、疲れたとしても、子供の時のような「お昼寝タイム」はありません。息抜きの機会が非常に限られているので、お酒や煙草などに頼ってしまうことになります。
そういった、本来の意味で「身体の息抜き」にはならない生活に良いことはありませんよね。
結果として、本来回復の時間であるべき睡眠から醒めた時、身体のあちこちがガタついたまま(=歪んだまま)なため身体が痛む……ということになるというわけです。
ふとした時に感じる痛みや違和感は、物言わぬ身体から送られてくる大事なメッセージなのです。「もう年かな」「この前、運動したのが響いてるのだろうか」などと見過ごしがちな起床時の痛みも、続くようであれば「朝起きた時の痛みと身体の歪みには相関性がある」と素直に、受け止めましょう。日々の姿勢や生活習慣を根本的に見直すチャンスかもしれませんよ!
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