みなさん、こんにちは！　理学療法士の青山遥(アオヤマヨウ)です。

「快適な生活は正しく食べて、正しい姿勢から！」をモットーに練馬区・豊島園で、理学療法サロン『AOYAMA STYLE(アオヤマスタイル)』を営んでおります。

今回は、なぜバランスボールによるセルフケアが良いのか？を、理学療法士の観点からご説明します。

全身の筋肉を使って、重力の負担を上手に分散できている状態でなければ、バランスボールに座り続けることはできません。バランスボールに座り続けることだけでも、日常生活の中で歪んでしまった姿勢を自力で直し、痛みや違和感の原因から治すことができます。

バランスボールの優れた特質とは

誰でも一度くらい、座ったことがあるのでは？　というくらいに普及したバランスボール。エクササイズでも頻繁に使用されるので、ジムなどでよく見かけますし、健康志向の強い方のお宅なら、リビングの片隅に転がっていたりもします。

当サロンにもバランスボールがあります。施術後、セルフケアのやり方をお伝えしており、その時によく使うからですが、すごく役立ってくれています。その理由をひとことでいうと、ボールを使うことで、重力にうまく抵抗するための身体の使い方を、みなさんに覚えてもらえるからです。

バランスボールには、理学療法の観点から見て優れた特質があります。椅子などに比べて、ボールは不安定なので、ちょっと触るだけでも動いてしまう。つまり、とても不安定なのですが、それが逆に良いのです。

あたりまえのことですが、 ボールは球状をしています。床に触れている部分が「面」ではなく「点」ですから、触られたり、座られたりといった外部からの刺激……専門用語でいう「外乱刺激」の影響を、受けやすいのです。

もちろん、平らな床に置かれたバランスボールが、ひとりで勝手に動き出すことはありません。止まっている物体に、なんらかの力を加えなければ、そのまま止まり続けるという「慣性の法則」があるからですね。

しかし、少し押すだけで、すぐに転がってしまうのがボールの基本性質ですから、そんなボールに座り続けるには、身体全体でバランスが取れた姿勢を続ける必要があるのです。

バランスボールの上で、身体が前後左右にぶれたりせず、座り続けられているならば、それは座っている人の身体が、理学療法用語でいう『抗重力伸展活動』できている状態です。つまり、全身の筋肉を使って、重力の負担を上手に分散できているという理想的な状態だといえるのです！

24時間365日、人間の身体も重力の影響を受け続けています。姿勢が崩れてしまっている人ほど、重力による負担が身体の一部に集中しており、それがその部位の痛みや違和感といった支障につながっていると考えられます。

このため、重力の影響を、全身まんべんなく使って、解消できている状態を目指すことはとても大事なのです。それをわかりやすく教えてくれるのが、バランスボールを使ったエクササイズなのです。

当サロンの施術と相性◎

当サロンでは施術を通して、『抗重力伸展活動』ができている状態に患者さんの身体を近づけることを目指しています。バランスボールでも『抗重力伸展活動』が体験できます。それゆえ、当サロンの施術と、バランスボールを使ったエクササイズの相性はとても良いのですね。

最初にお話したとおり、当サロンでは施術後、お客様の身体の状態にあわせたセルフケアを提案させていただいています。中にはバランスボールを使ったエクササイズを毎日、家庭でも行いつづけることが体調改善に効果的な方がいらっしゃいます。しかし、「バランスボールが家にはない」という方も多いので、そういう場合はボールがなくてもできるようにお教えしていますが、やはり、あるほうが良いです。

症状が軽い方の場合、バランスボールを椅子代わりにして、少しの時間でも座る習慣をつけていただくと、それだけで腰痛、首や肩の凝りといった症状が軽くなる、あるいは消えてなくなるという方もいらっしゃいますから……。

バランスボールに座りつづけるだけで、これまで使ってこなかったインナーマッスルが鍛えられて姿勢が良くなったり、身体の不快な症状が消えたり、場合によってはダイエットにもつながる効果も期待できます。

逆にバランスボールに座ることを習慣的に続けていれば、それだけでも『抗重力伸展活動』ができている状態にあなたの身体を近づけられます。また、そういう身体の一部に重力の負担が集中した状態をなくすことができれば、痛みや不具合のない健康な状態に身体を近づけていけるからです。

ここまで読んで、部屋の隅に転がってるボールをちゃんと活用してみようとか、バランスボールが欲しくなってきた方もおられると思います。

バランスボールは55cm、65cm、75cmの3サイズが一般的ですが、もう少し小さい、あるいはもしくは大きなサイズのボールもあります。好みもありますが、身長が高い方ほど大きなものを使うとよいでしょう。当サロンでもお客様のボール選びのご相談に乗れますし、ボールを使ったエクササイズなどもご提案できると思いますから、ご遠慮なくお申し付けください！